2023年7月29日土曜日

ヘッドフォン難聴の怖さ (前編)

◆はじめに

この記事では ヘッドフォン難聴の怖さについて2回に分けて書きます。

このブログではコラム的な記事は書いてきませんでしたが、耳の健康を何よりも重視する私にとってヘッドホン難聴は決して無視できない問題ですので、自分への警告の意味も含めて書いていきます。

なおここでのヘッドフォンという単語にはイヤホンも含まれます。


ヘッドフォン難聴と言われるように、ヘッドフォンは耳を悪くするリスクがあります。

ヘッドフォンで大音量で長時間音楽などを聴き続けると、耳の細胞が次第に壊れていき耳が悪くなってしまいます。

徐々に進行していくタイプの難聴は耳が悪くなっていることに気づきにくく、ある日気づいたときにはすでに時遅く、一生耳が悪い状態での生活を余儀なくされることにもなりかねません。

耳鼻科のウェブサイトなどを見てみると、難聴の症状が出てから1~2週間以内の治療が勝負で、その期間を超えると治りにくくなると書かれています。

音響関連の仕事をしている知人の話ではPAさん達はみんな難聴だそうです。彼らはライブやイベントなどの音響の仕事で長年大音量を浴び続けているので、彼らの難聴は職業病のようなものです。


◆ヘッドホン特有の2つの問題

スピーカーでも長時間大音量にさらされると耳にダメージを与えます。その点はヘッドホンと同じです。しかしヘッドフォンには特有の問題があります。

1つ目の問題は正確な音量測定ができない点です。

スピーカーの場合は騒音計で音量を調べることができます。専用の騒音計がなくてもスマホアプリなどで代用することもできます。

スピーカーの場合は騒音計で音量を測って音が基準よりも大きければ音量を落とすなどの対策ができます。車を運転するときにスピードメーターを見て速度を落とすようなものです。

しかしヘッドフォンの場合は基本的に自分がどれぐらいの音量で聴いているか測ることができません。そのため音の迫力を求めて気づかないうちにどんどん音量を上げてしまい、徐々に耳を痛めてしまいます。

例外的にiPhoneで指定のイヤホンを使う場合はコントロール画面から音量表示ができるようです。iPhoneユーザはぜひその機能を活用してほしいです。


2つ目の問題は環境面です。

スピーカーの場合、音がうるさければ家族から注意されたり、または近隣の住民に配慮したりと、環境が大音量を抑制している側面もあります。

しかしヘッドホンは周囲に音がほとんど漏れないので周りを気にせず大音量を出してしまいがちです。特に密閉型ヘッドフォンは注意が必要です。


◆公共交通機関は意外とうるさい

電車や地下鉄に乗っているとBluetoothイヤホンをしている学生や若者をよく見かけます。
実は電車は結構うるさくて70dB前後の騒音があります。

これだけうるさい中で音楽などを聞くには普段よりも音量を上げる必要があります。そうすると気づかないうちに大音量になり徐々に耳を痛めてしまいます。

1020分程度の時間ならまだしも、毎日往復1時間以上それが続くとなると確実に耳に悪いでしょう。

通学や通勤電車の中でどうしてもイヤホンを使いたいならば最低でもノイズキャンセリング機能がついたものを使うべきです。


◆コンテンツの多様化

昔はイヤホンで聴くものといったら音楽やラジオぐらいでしたが、今は動画やゲームなど音声が使われるコンテンツの幅が広くなり、それだけ耳への悪影響のリスクが高まっています。

最近のゲームは昔とは比較にならないほど高度になっています。
FPSが好きな若者の話によると、銃声や足音などの方向や距離を正確に聞き取るためにヘッドフォンにこだわっていると聞きます。

ゲームは何時間も没頭することも珍しくないので音量を上げすぎると当然耳を痛めます。



◆ヘッドホン難聴はあまり認知されていない

世の中のほぼ全ての人がスマホを持つようになってヘッドホン難聴は世界的な問題になっています。
にもかかわらずヘッドホン難聴の危険性は世の中に知れ渡っているとは言えません。

ネットなどではヘッドホン難聴の記事をちょくちょく見ますが、テレビなどの大手メディアでヘッドホン難聴を取り上げた番組を私1度も見たことがありません。


話が長くなったので一度区切って後編に続きます。

2023年7月15日土曜日

モニターヘッドホンの買い換え

久しぶりの更新です。

私は音楽制作もやっており、音楽制作ではスピーカーとヘッドフォンを両方使います。

ヘッドフォンは音の細部の違いが聞き取りやすいと言う利点があります。理由は簡単で、ヘッドホンはスピーカーと違って部屋の空気を介さずに音がストレートに耳に届くからです。

私の環境ではミックスをする時はスピーカーよりヘッドホンの方が音の変化がよく見えます。


◆買い替えの動機

モニターヘッドフォンはここ10年ほどずっとオーディオテクニカのATH-SX1aを使っていました。しかし最近ミキシング作業での音の細部が聞き取りにくく悩むことが多くなりました。

ATH-SX1a

そこで東京渋谷のとあるプロオーディオ店に相談したところ、「SX1aはどちらかと言うとレコーディング作業向け。ミックスならM50xやM70xの方が良いかも」とアドバイスをもらいました。

福岡市から東京まではさすがに行けないので、ヨドバシカメラ博多でM50xM70xを試聴することにしました。ヨドバシカメラの店内はやかましいので試聴には向きませんが、福岡でモニターヘッドフォンの展示が充実しているのはヨドバシカメラだけなので仕方ないです。


◆試聴


試聴したところ、いやー全然違いますね…
M50xもM70xもクリアで解像度が高い。SX1aの音が曇って聞こえるほどです。

SX1aとM50xは価格帯が同じなのにM50xが明らかにクリアです。M50xの方が6年後発なので音もブラッシュアップされているのでしょう。

音の傾向は、M50xはモニターにもリスニングにも適した音です。
音楽を楽しく聞かせるための若干の味付けがあり、SX1aと比べてもベースやキックドラムの帯域が少しブーストされているのがわかります。

一方で、フラッグシップのM70xは音の味付けは感じられません。
より高解像度で分析的でいかにもモニターサウンドです。見た目はM70xの方がかっこよくてスタイリッシュです。

M50x、M70xともケーブルが着脱式になっています。

M50xで充分かもと思いましたが、しばらく考えた末にフラッグシップのM70xを買いました。

ATH-M70x

◆使ってみて

M70xを少しエイジングした後にミキシング作業を試してみたところ、明らかに音の変化が聞き取りやすくなりました。

特にパラメトリックEQのかかり具合が聞き取りやすい!

そこそこ高価でしたが良い買い物をしました。後は自分の耳と経験次第です。

以上、モニターヘッドホンの買い換えでした。

Roon Remoteで音が変わる

私はRoon RemoteデバイスとしてiPad ProとiPhone8とNECのLavieTab T8の3つを持っている。 最近気づいたのだが、 Roon Remoteデバイスで音が変わる。 上に紹介した3つの中でNECのLavieTabが1番音が良い。 iPad ProとiP...