2021年11月27日土曜日

RoonでTIDAL音源とローカル音源の音質比較

前回の記事で紹介したようにRoonで再生するTIDAL音源の音はかなり良いです。今回はそのTIDAL音源とローカル音源の音質を比べてみました。


比較音源はVibes AliveのVibrasonicです。ここ最近のマイ・スマッシュヒットアルバムです。TIDALもローカル音源もFLAC 16bit 44.1kHzです。写真の下側の2つあるアルバム情報の上の方がCDをリッピングしたローカル音源で、下の方がTIDAL音源です。こうやってアルバムの違いが一目でわかるのもRoonの魅力です。


先にローカル音源を入れているストレージの事を書きます。ストレージは自作PCの内蔵2.5インチSSDで、ATX電源とは別電源で供給されています。JS PC AUDIOの小型リニア電源 PSU-miniと、同じくJS PC AUDIO SSD用給電ケーブル SPC-X1が使われています。こうやって電源対策をしているので、TIDAL音源がハンデを背負っていると言えます。


音質比較した結果、やはりローカル音源の方が良かったです。ローカル音源の方がクリアで音の輪郭がはっきりしていて、TIDALのほうは輪郭が少しぼんやりしてます。ただ、もしSSDを別電源にしていなければ音質差は小さくなったでしょうね。


Roonを使い始めた当初はこれでもうCDを買う必要はないかなと思っていたのですが、自分の環境ではローカル音源の音が良いことがわかったので、本当に気に入ったアルバムは今もCDを買ってます。このCD衰退期にCDが入手できれば、ですが。


以上、RoonでTIDAL音源とローカル音源の音質比較でした。

2021年11月25日木曜日

TIDALとRoon+TIDALの音質比較

今回の記事はTIDALとRoon+TIDALの音質比較です。

今回はTEAC NT 505-Xネットワークプレーヤーが主役になるので、このプレイヤーをごく簡単に紹介します。NT 505-XはTIDALとRoon Readyの両方に対応しているネットワークプレイヤーです。他にもいろいろな機能があり、USB-DACとしても使えます。


NT 505-XはRoon再生ではRoon Ready機として動作します。また専用アプリのHR StreamerでTIDALの音楽を楽しむことができます。下の写真はHR StreamerアプリのTIDALお気に入りアルバム一覧です。


以下の文章では専用アプリのHR StreamerでTIDALを再生することを「TIDAL単体再生」と呼ぶことにします。

NT 505-XをTIDAL単体再生とRoon Readyの両方で動作させ音質比較します。音源はどちらもTIDALのCDクォリティ音源を使用しました。機器構成は以下の図の通りです。




結果はRoon Readyの音の方が良かったです。Roon Readyとして動作した方がクリアです。ただしTIDAL単体再生の音もなかなか良いです。Roon Readyの音が80点とすればTIDAL単体は70点ぐらいです。今回比較はしませんでしたがSpotify Connectで聴く圧縮音源の音は30点ぐらいだと思います。


私の環境ではこういう結果になりましたが、RoonをインストールするPC環境よっても結果は変わってくるでしょうね。以上、TIDALとRoon + TIDALの音質比較でした。

2021年11月23日火曜日

Roon Serverのインストール

今回の記事はRoon Serverのインストールについて書きます。


Roon ServerはWindowsやMacやLinux PCなどにインストールすることができます。また以前の記事で書いたRoon OSにはRoon Serverが初めから組み込まれています。今回の記事ではPCにLinuxを新規インストールし、その上でRoon Serverをインストールする流れで進めていきます。



Roon ServerSSHサーバーやWebサーバーなどと同じくサービスとして動作します。従ってLinux PCにデスクトップ環境は不要です。


まずPCにUbuntu ServerやDebianなどのLinuxディストリビューションをクリーンインストールします。Debianを使う場合はOSのインストールの時にデスクトップ環境のチェックをはずします。私はLinux初心者なので情報が豊富なUbuntu Serverが合っていると思うのですが、なぜかDebianを使っています。Ubuntu Serverだったら分厚い参考書籍を2冊も持ってるんですけどね...



OSのインストールが完了すると、OSの運用に必要な設定をあらかじめ済ませておきます。設定はコマンド操作になります。私の場合は以下の設定をしました。


・固定IPアドレスの設定

・ミュージックライブラリ用のSSDの自動マウント設定

Windowsファイル共有設定

・PCの電源ボタンを押すとシャットダウンするように設定

・パッケージの自動アップグレード設定


固定IPアドレスの設定を済ませた後はPCのモニターとキーボードをはずして別のノートPCからSSHログインして作業できます。




必要な設定が完了したらRoon Labsのインストラクションに従ってRoon Serverのインストールをします。Easy Installerのやり方に従います。Manual Installationは私には難しすぎて無理です。


1. Roon Serverと依存関係にあるパッケージのインストール


$ sudo apt install ffmpeg

$ sudo apt install cifs-utils

$ sudo apt install curl


2. Roon Serverのダウンロードとインストール


$ curl -O http://download.roonlabs.com/builds/roonserver-installer-linuxx64.sh

$ chmod +x roonserver-installer-linuxx64.sh

$ sudo ./roonserver-installer-linuxx64.sh



インストールが正常に完了したら既にRoon Serverが起動しています。



Roon Serverの状態確認

$ sudo systemctl status roonserver.service


Roon Serverの再起動

$ sudo systemctl restart roonserver.service


Roon Serverの停止

$ sudo systemctl stop roonserver.service


Roon Serverのログの確認

$ sudo cat /var/roon/RoonServer/Logs/RoonServer_log.txt



Roon Serverのファイヤーウォール設定もしてみようと思いましたが、思ったよりも難しそうなのでやっていません・・・まあホームネットワーク内のサーバーだしそこまでセキュリティを心配しなくてもいいかな、と自分を誤魔化しております。

ファイヤーウォール設定に関してはこちらのサイトは参考になるかと思います。




以上でRoon Serverのインストールは完了です。


(2021/12/04 記事一部修正しました)

2021年11月21日日曜日

RoonのRAATプロトコルの音の良さ

 この記事ではRoonのRAATプロトコルの音質について書きます。


私がRoonを使うようになる前はしばらくHQPlayerを使っていました。その理由は単純にHQPlayerとNAAを組み合わせたネットワークオーディオの音が良かったからです。今まで使ってきたどのソフトよりも一つ頭抜けた音質でした。HQPlayerのアップサンプリング機能などは興味なかったので全く使いませんでした。


しかしRoonの音質をHQPlayerと比較検証した結果、RoonはそのHQPlayer+NAAの音に匹敵する素晴らしい音質だったのです。


音質比較は以下のAとBの2パターンで行いました。

A. 
Roon >>> SW >>> NT505-X

Roon = Windows10ノートPCにインストールしたRoon
SW = Netgearの安いスイッチ(ローノイズ電源)
NT-505X = TEAC NT-505X (Roon Ready対応)


B. 
Roon >>> SW >>> HQplayer >>> wi-fiルータ(親) >>> wi-fiルータ (子) >>> NAA >>> NT-505(Coax.input)


Roon = Windows10ノートPCにインストールしたRoon
SW = Netgearの安いスイッチ(ローノイズ電源)
HQplayer = Linux DebianにHQPlayer4Desktopをインストールした自作PC
wi-fiルータ = Elecomのポータブルwifiルーター(ローノイズ電源)
NAA = NAAをインストールしたRaspberry Pi 3B + Allo Digione Signature (Coax.outpput)



AはRoonのRAATプロトコルです。BはRoonとHQplayerを連携しています。
音質比較の結果、どちらもほぼ同じレベルの音でした。どちらかといえばAの方がスッキリ聴こえ、BはPCなどのハードウェアの音が少しプラスされているのか少し重い感じでした。


Bのシステムでは、HQPlayer4をインストールした自作PCはSSDを別電源にするなどの音質配慮を施しています。Allo Digione Signatureは3万円クラスの高価なDDC-HATでその音質はラズパイオーディオマニアにも高評価されています。コアキシャルケーブルもFundamental製の非常に高音質なケーブルです。


私がこれまで工夫してきた(B)を、Roon Ready対応機器をシンプルにつなげただけの(A)があっさりと同じレベルに達してしまいました。


この音質比較以降、私はHQPlayerからRoonに完全に乗り換えました。

2021年11月20日土曜日

Roon OSのお試しインストール

(2021/12/01 イラスト挿入と一部記事修正しました)


この記事はRoon OSを自作PCにお試しインストールした記録です。あらかじめ断っておきますが、Roon OSのインストールに関する質問には一切お答えしません。ハードウェアが絡んでややこしいからです。ご了承下さい。


Roon OSはRoonの純正OSで、Roonの運用に最適化された極めて軽量なカスタムLinux OSです。Roon Nucleusにプリインストールされており、またRoon Labsが指定するIntel NUCにインストールすることもできます。


このRoon OSを私の予備の自作PCにお試しインストールしてみました。PCの構成はざっと以下の通りです。


CPU:  Intel Core-i3 8100

MB:  Asus H310M-A

Memory:  DDR4-2400 8GB

Storage: SATA SSD x2  (OS & Music)


Roon Labsのインストラクションを読んでみると、Intel NUCにRoon OSをインストールする際にはBIOSの設定でSecure BootをオフにしてLegacy Bootを有効にする必要があると書かれています。それを参考に私のマザーボードのBIOSで同じように設定してみました。


Boot > Secure Boot > OS Typre > Other OS

Boot > CSM > Launch CSM > Enabled

Boot > Boot Device Control > UEFI and Legacy になっているのを確認

Save & Exit


Roon OSをインストールするにはマザーボードのLegacy Boot対応が必須のようです。ここで注意が必要なのは、すべてのマザーボードがLegacy Bootに対応しているわけではないことです。またRoon Labsが指定するIntel NUC以外のハードウェアに関してはノーサポートです。ちなみに私が本チャンで稼働している別の自作PCのマザーボードはBIOSのLaunch CSMがDisableのままグレーアウトしていて現時点ではLegacy Bootに設定できません。


BIOS設定後にインストール用USBメモリーを使ってRoon OSをSata SSDにインストールしました。この辺のやり方は他のLinuxディストリビューションなどをクリーンインストールする場合と変わりません。


私の不安をよそに無事インストールできました。しかもインストールがめちゃくちゃ早いです!あっという間に終りました。Roon OSは組み込みソフトウェア並みに軽量らしいのでインストールサイズがとても小さいのだと思います。


インストールが完了してシステム再起動するとモニターにIPアドレスが表示されます。iPadや他のPCでそのIPアドレスを打つとWeb UIが立ち上がります。//rock  でも立ち上がりました。Web UIにはOSやRoon Serverのバージョンなど基本的な情報が表示されており、OSのシャットダウンやリブート、Roon Serverの再起動、IPアドレスの設定もできます。



Missing Codecs ? という表示が出ています。これは必要なコーデックが入っていない状態なので、Roon Labsのインストラクションに沿ってffmpegコーデックをダウンロード・解凍をして指定のフォルダーにコピーしてOSを再起動します。再起動すると今までの"Missing Codecs"の表示が"OK"に変わります。


Roon OSをインストールしたばかりのRoon Serverのバージョンは1.7でしたが、Roon Remoteアプリから最新のver1.8にアップデートできました。ここまででRoon OSのインストールは終了です。


次に音源用のSSDを接続しRoon OSで使えるようにしてみました。音源用の SSDをマザーボードに接続してRoon OSを立ち上げると、Web UIの画面で音源用の SSDが認識されています。しかしNot Readyと表示されてます(上の写真)。まだ使えないですよってことですね。ここでFormatのボタンを押します。フォーマットが完了するとOKの表示が出ます。これでSSDがちゃんと使えるようになります。つまり音源用のストレージは最初にフォーマットが必須です。


Windows PCのエクスプローラーからRoon OSのPCのIPアドレスを打つと"Data"という共有フォルダーが表示されます。Data/Storage と掘ると "Internal Storage" のフォルダーがあります。この"Internal Storage"が先ほど追加した音源用SSDです。


このInternal Storageフォルダにそのままネットワーク越しにアルバムデータをコピーします。簡単ですね。


以上、Roon OSのお試しインストールを一通りやってみました。Roon OSは少し試しただけでその出来が素晴らしいとわかります。超軽量なので音も間違いなく良いでしょう。

2021年11月18日木曜日

Roon CoreとRoon Bridgeのピアトゥーピア接続

今回の記事はRoon CoreとRoon Bridgeのピアトゥーピア接続です。

Roon CoreはいわばRoonの心臓部です。そしてRoon BridgeはRoon Coreからネットワークを通じて音楽データを受けてそれをDDC/DACに送ります。Roon BridgeはミニPCやラズベリーパイなどにインストールすることができます。私はI2S-DDC HATを取り付けたラズパイ3Bにインストールしています。Roon CoreとRoon Bridge間の通信は高音質なRAATプロトコルになります。 


 このRoon CoreとRoon Bridgeは普通にスイッチングハブを介して接続することはできますがピアトゥーピア接続することもできます。 ピアトゥーピア(Peer to Peer)接続とはネットワーク機能を持つデバイスをイーサネットケーブルで一対一で接続する方式です。


オーディオの世界においていわゆる汎用のスイッチングハブは音質低下を招くノイズの原因になります。しかしピアトゥーピア接続をすることで汎用のスイッチングハブをシステムから外すことができます。予算がある人は高価なオーディオ用スイッチングハブを使えますが、私のようになるべく低コストで良い音を鳴らしたいユーザにとってはピアトゥーピア接続は有効な方法といえます。 


ピアトゥーピア接続の条件としてRoon CoreがインストールされているPCにNICが2つ備わっている必要があります。大半のPCには通常1つしかNICがないためLANカードなどを増設する必要があります。ちなみに私のASUS Z590-E GAMINGマザーボードはオンボードのNICが2つ備わっています。へへへ。


まずケーブルの接続をします。インターネット接続されているルーターとRoon Core PCの1つ目のNICを普通にLANケーブルでつなぎます。そしてRoon Core PCの2つ目のNICをRoon BridgeがインストールされたPCやラズベリーパイとピアトゥーピア接続します。



次にネットワークの設定に移ります。 

 [設定例] 

ネットワーク1 

ネットワークアドレス  192.168.10.0 
ルーター  192.168.10.1 
Roon RemoteのiPad  192.168.10.xxx (DHCP) 
Roon Core PCのNIC1  192.168.10.200 (Static) 


ネットワーク2 

ネットワークアドレス  192.168.20.0 
Roon Core PCのNIC2  192.168.20.1 (Static) 
Roon Bridge PCのNIC  192.168.20.2 (Static) 


設定が完了するとRoon RemoteアプリからRoon Bridgeが認識されるはずです。 ピアトゥーピア接続だと、汎用のスイッチングハブを通して再生した場合と比較して明らかに音がクリアになりました。


(2021/11/27一部修正  "ピア接続"を"ピアトゥーピア接続"に書き換えました。)
(2021/12/01 イラスト挿入しました。)
(2021/12/04 イラスト再絵画しました。)

2021年11月17日水曜日

はじめに

このブログでは音楽鑑賞ソフトRoonを中心としたオーディオ記事を書きます。


Roonは美しいインターフェイスやTIDALなどのストリーミングサービスとの深い連携機能、AI技術を駆使した優れたリコメンド機能、卓越した音質と安定性を持つ最高峰の音楽再生ソフトです。


私がRoonを使う以前はJPLAYやHQPlayer、他にはVolmioやPiCorePlayerなどのLinux系再生ソフトなどを使ってきましたが、オーディオショップ吉田苑でRoonのことを詳しく教えてもらったのをきっかけにRoonを導入しました。


Roonはオーディオ雑誌やネット記事などで以前から気になっていましたが、いざ使い始めるとその素晴らしさに感銘を受けました。そして自分がRoonオーディオに取り組んだ記録をブログで発信しようと決めました。


Enjoy music life with Roon audio !

Roon Remoteで音が変わる

私はRoon RemoteデバイスとしてiPad ProとiPhone8とNECのLavieTab T8の3つを持っている。 最近気づいたのだが、 Roon Remoteデバイスで音が変わる。 上に紹介した3つの中でNECのLavieTabが1番音が良い。 iPad ProとiP...