※2022/11/13 内容に誤りがあったため記事を大幅修正しました。
PCオーディオやネットワークオーディオといったいわゆるデータ再生では、ユーザが自身のライブラリにタグづけをして、そのタグ情報をもとに聴きたいアルバムを検索するやり方が一般的です。
オーソドックスなアルバム検索のやり方はジャンル検索から入っていく方法です。
(例) ジャンル: Jazz > アルバム: Waltz For Debby
しかしRoonではこのような従来のジャンルタグをベースにしたジャンル検索がうまく機能しないことが多々あります。それはどういうことか見ていきましょう。
◆ROONのジャンルの仕組み
Roonはローカルライブラリのファイルタグを読み取る際にGenreタグだけでなくStyleタグも読み取り、それらをまとめてジャンルとして扱います。
例えばローカルファイルのGenreタグに Jazz とタグ付けしたアルバムでも、Roonで表示すると Jazz, Fusion, Soul-Jazz の3つのジャンルが表示されたりします。
この3つのジャンルのうち Jazz はGenreタグ、Fusion, Soul-Jazz の2つはStyleタグからのものです。
実際にRoonアプリを開いて Genres からJazzのジャンルを見てみましょう。
すると私が実際にGenreタグに Jazz とタグづけしたBill Evansなどのアルバムだけでなく、ブレッカー・ブラザーズやリー・リトナーといったフュージョンアーティストのアルバムも表示されます。
よく見ると中島美嘉のアルバムまでJazzのジャンルに入ってしまってます。中島美嘉がJazz!?
ジャンル"Jazz"に表示されるたくさんのフュージョンのアルバム
これはなぜでしょうか?
それはRoonではジャンルが階層構造になっているからです。FusionやSmooth Jazzなどのジャンルは大きなメインジャンル"Jazz"のサブジャンルとなります。
メインジャンル > サブジャンル
Jazz > Fusion,Smooth Jazz,Bop,Jazz-Funk,etc
サブジャンルはその上の階層のジャンルでも表示されるので、FusionやSmooth Jazzのアルバムがジャンル"Jazz"に表示されるのです。
先ほどの中島美嘉のアルバムも Smooth Jazz のジャンルがあるので、Smooth Jazz の上の階層の Jazz にも中島美嘉のアルバムが表示されるのです。
Genres in Roon come arranged in a hierarchy, so even though you might have a collection of hundreds of genres, you never have to browse them all at once. At the top level, you can find categories like Jazz and Pop/Rock, and as you drill down, you get to deeper genres, like Modal Music, or British Invasion.
しかし私としては「FusionやSmooth Jazz」と「Jazz」は明確に別のジャンルとして表示させたいのです。
つまり私自身がGenreタグにタグ付けしたタグ情報だけでジャンル検索したいのです。
ではどうすればそれができるのでしょうか?
Roonを1年以上も使ってきてやっとその方法が分かりました。やり方は簡単です。
◆GenreタグをStyleタグと切り離す
まず最初に、Library > Import Settingで "Use genres extracted from file tags"を"Yes"にしておきます。これをしておかないとファイルタグの情報がROONに表示されません。
次にMP3Tagなどのタグ編集ソフトを使ってローカルファイルのGenreタグの名前をStyleタグの名前と差別化します。
これまで"Jazz"とタグづけしていたものを"@Jazz"に変更します。"@Jazz"というジャンルはStyleタグにありません。ジャンル"@Jazz"は"Jazz"と別ジャンルとしてRoonに表示されます。
このようにして Pops も Rock も@Pops、@RockのようにしていけばGenreタグにタグづけしたアルバムのみを切り離して表示できます。
実際に@が付いたジャンルを開くと、私がGenreタグにタグづけしたアルバムがまとめてきちんと表示されます。@Jazzのジャンルにフュージョンのアルバムが表示されることも中島美嘉のアルバムが表示されることもありません。
GenreタグのみがABC順に並び、非常に見やすい!
ここでの「@」はただStyleタグと差別化するために使った記号に過ぎません。別に@でなく他の記号を使っても良いです。なんならカタカナで"ジャズ"や"ポップス"などとタグづけしても構わないです。
Genreタグの編集はMP3Tagでローカルフォルダーを丸ごとぶち込めば一括でタグの編集ができますのでそれほど大変ではないです。
なお、Genreタグの編集をするとRoonがファイルを再分析するので、分析の進捗状況をチェックしながらGenreタグの編集をすると良いと思います。
TIDALのアルバムに関しては、Roonアプリでアルバムをエディットして自分がGenreタグに使用した名前を割り当てればOKです。そうすれば自分が作ったジャンル(@Genre)にTIDALのアルバムも表示されるようになります。
Album Editor > Edit Album > Genres > @Easy Listening etc.
これでもうROONのジャンルの仕組みに翻弄されることはありません。以前より格段にアルバム検索がしやすくなって音楽を聴くのがより楽しくなりました。
以上、Roonでジャンル検索を快適にする方法 でした。