2021年12月31日金曜日

システム上流 光メディアコンバータ編

 前回の記事でRoonシステム上流を紹介しました。

今回はシステム上流機器のうち、光メディアコンバーターを紹介します。


光メディアコンバータを家庭内のオーディオネットワークに組み込むことで、光アイソレーションにより電気的ノイズを取り除き音質向上できます。光メディアコンバーターはメディアコンバーター2つを1セットとして使います。


システム上流でその光メディアコンバータを2セット組み込んでいます。1つ目はルーターとRoon Serverの間、そして2つ目はRoon ServerとRoon Bridgeの間に組み込んでいます。(上のイラスト参照)


光メディアコンバーターは汎用品の10Gtekのものです。このモデルを選んだ理由はオーディオ専用のものと比べて安価なのに加え、5V1A DC電源のためモバイルバッテリーから給電ができることです。光ファイバーケーブルは1mです。長さで音が変わるようですが、ケーブルが長いと見た目がさらにぐちゃぐちゃになりそうなので短いものにしています。



◆光メディアコンバータの電源

光メディアコンバーターの電源はAC一体型の5Vモバイルバッテリーから給電しています。メディアコンバータに付属しているACアダプターよりは高音質になります。ただしラズパイやミニPCに使った場合より音質向上効果は小さく感じられます。

またDCケーブルは一部JS PC audio製のものを使用していますが、これも10Gtek光メディアコンバーターに使うとそれほどの効果はないように感じます。


◆スチールケース

2セットある光メディアコンバータのうち1セット目のケースは10Gtek製のアルミケースではなく、オリオスペックから発売されている特製スチールケースを使っています。(上の写真の中央と左)

このスチールケースは10Gtek製アルミケースよりはるかに重たくずっしりとしていて、すばらしい音質向上効果があります。音の重心が低い本格的な音になります。コスパも良く本当に買ってよかったと思います。


◆アルミケース+純鉛テープ

そしてこの年末にもう1セット光メディアコンバータを導入しました。(上の写真の右側2つ)ただし残念ながら上記のスチールケースは在庫切れで入荷待ちの状態です。


デフォルトの状態で音を聞いてみました。音の前後感が出てきた半面、なんとなく音がくすんだような感じがします。何を聞いてもどこか遠くで鳴ってるような感じで違和感があります。もしかしたらこの音のくすみはデフォルトのアルミケースの軽さが原因なのかもしれないと思い、以前の記事で書いた純鉛テープをアルミケースに貼り付けてみました。


まずアルミケースをプラスドライバで分解します。



鉛はアルミの約4倍の比重があります。アルミケースの天板の内側と底板の外側に鉛テープを貼り付けます。できるだけケースを重くしたいので面積いっぱいに貼り付けました。



鉛テープの貼付が終わり音を聞いたところ、明らかに改善しました! 

これまで感じていたくすみが取れて瑞々しい音になりました。

スチールケースほど大きく音が変わるわけではありませんが、鉛テープを貼らない時と比べて明らかに良い音です。鉛テープに興味のある方はぜひ試してみてください。ただし精密機器ですので作業は慎重に行ってください。


以上、光メディアコンバータの紹介でした。





2021年12月30日木曜日

システム上流の構成

私のRoonオーディオのシステム上流の構成を紹介します。




イラストの画質が若干荒くてすみません。画質をきれいにする方法を調べているのですがよくわかりません。

システム上流の構成の主なポイントは2つです。1つはRoon ServerとRoon Bridgeをピアツーピア接続していること。ピアツーピア接続することによって汎用のスイッチングハブのノイズの影響をなくすことができます。


2つ目はメディアコンバータによる光アイソレーションをしていることです。
光メディアコンバーターはルーターとRoon Serverの間、さらにRoon ServerとRoon Bridgeの間の2つのポイントで使用しています。


次回からの記事ではシステム上流の機器でこれまで紹介していなかったものを紹介していく予定です。


2021年12月26日日曜日

アルミケース工作の続き

以前の記事でアルミケースに穴あけ加工してラズパイ4+Digione Signatureを収納したことを書きました。

実はその後ずっとアルミケースの共振の影響であろう再生音のシャリシャリノイズに悩まされていました。こういう場合"ケースが鳴る"と表現するようです。

何とかならないかといろいろ試しましたが、アルミケースの付属のゴムパッドをつけると音が死んでしまうし、インシュレーターを敷くとある程度改善はされますがどこか中途半端な音です。

そこでアルミケースを購入した電子パーツショップのスタッフさんに相談してみました。すると"純鉛テープを貼ってみるといいかもしれない"とアドバイスをもらい、貼り方も教えてもらいました。アルミ板に純鉛テープを貼ることによって共振を抑えられるそうです。早速そのテープを買いました。




アルミケースを分解して、アルミ板の内側にそれぞれ鉛テープを貼っていきます。1m長もあった鉛テープは最後にはほとんど使い切りました。



作業中に写真を撮るのを忘れたので、完成後のケースの底板の写真を載せました。ネジが干渉しない部分に鉛テープを貼っています。


作業が終わり、Roonで音を鳴らしてみました。
すごくいい音になっていてビックリです! シャリシャリな感じがかなり減って背景が透き通っています。音のレベルが一気に上がった感じです。

ノイズで音が良くなったと錯覚したかもしれないと思って何度も聞き直しましたが、やはり錯覚ではなさそう。800円程度の鉛テープでここまで改善できるなんてすごいです。


ここ最近ずっと"Digione Signatureの音はこんなものではないはずだ"とモヤモヤしていましたが、やっとDigione Signatureが本来の実力を発揮し始めました。LattePandaのUSB出力も良い音ですが、それを大きく超える高音質になりました。

2021年12月24日金曜日

自作PCをRoon Bridge専用機にしてみた

余っている自作PCをRoon Bridge専用機にしてみました。
OSのチョイスや設定等は前回のLattePandをRoon Bridge専用機にした記事で紹介した手順とほぼ全く同じです。

自作PCのパーツ構成は以下の通りです。

CPU: Intel Corei3-8100
MB: ASUS H310M-A
Memory:  DDR4-2400 8GB
ATX Power: Seasonic Gold 450W
Storage: 安いSATA SSD 120GB



今回はあくまでお試しなのでマザーボードはむき出しの状態ですが、一応最低限の振動対策として御影石ボートの上に載せました。OSのインストール等が終わり、TEAC NT-505-XにUSB接続して音出しをしてみました。


◆音質評価

全然パッとしません。クリアじゃないし、これといって特徴も感じられません。
ラズパイ4やLattePandaよりも高いCPU性能が音にプラスになるかもと期待しましたが、期待はずれでした。

モバイルバッテリー駆動したLattePandaの音が80点だとすれば今回の自作PCは60点です。市販のケースにちゃんと組み込んでもせいぜい70点止まりではないでしょうか。

2021年12月22日水曜日

LattePandaをRoon Bridge専用機にする

LattePandaはIntel Atomプロセッサを内蔵し、Windowsに対応したファンレスミニPCです。Windows系のPCオーディオマニアには結構知られたハードだと思います。

写真左が専用アルミケースに収納されたラテパンダです。ガラケーサイズでとても小さいです。専用アルミケースは質感の良いしっかりとした作りです。



 


今回はそのLatte Pandaを高音質なRoon Bridge専用機にする手順を書きます。この手順は自作PCをRoon Bridge専用機にする場合にも応用できると思います。


●OSの選択とインストール準備

OSはLinux Debianをチョイスし、ヘッドレスOSにします。Debianを選ぶ理由は私がDebian系ディストリビューションばかり使ってきたのもありますが、一番の理由はリアルタイムカーネルを簡単にインストールできることです。

まずnon-free firmwareが入っている非公式インストーラーISOをダウンロードします。Latte PandaのイーサネットアダプターはRealtek製なので、non-free firmwareがないと正しく認識できないと思います。

次にRufusを使ってDLしたISOイメージをUSBメモリーに書き込みます。


●Debianのインストール

Latte Panda本体にそのUSBメモリとモニターとキーボードとLANケーブルをつないで本体の電源を入れます。Deleteキーを押し続けてBIOS画面が立ち上げ、USBメモリからブートします。

Debianのインストール画面が出てくるので、"Graphical Install"でなく"Install"を選びます。LattePandaは本体にeMMCストレージが内蔵されています。OSはそのeMMCストレージにインストールします。インストールのやり方はネットなどに上がっているのでそれを参照にすると良いでしょう。このブログでは要点のみを書きます。


要点1: Rootパスワードを省略すること

Rootパスワードを省略することによって、Ubuntuのように一般ユーザがsudoコマンドで管理者権限を得られるようにします。

要点2: デスクトップ環境をインストールしないこと

以前の記事にも書きましたが、Roon Bridgeはサービスとして動作するのでOSにデスクトップ環境は必要ありません。ヘッドレス環境にします。

要点3: SSHサーバーをインストールすること


Debianのインストールが終了すると再起動してDebianが立ち上がります。


●OS情報を見る

$ sudo cat /etc/os-release
PRETTY_NAME="Debian GNU/Linux 11 (bullseye)"
NAME="Debian GNU/Linux"
VERSION_ID="11"
VERSION="11 (bullseye)"
VERSION_CODENAME=bullseye
ID=debian
HOME_URL="https://www.debian.org/"
SUPPORT_URL="https://www.debian.org/support"
BUG_REPORT_URL="https://bugs.debian.org/"


●イーサネットアダプタの確認
$ lsusb | grep -i realtek
Bus 001 Device 003: ID 0bda:8152 Realtek Semiconductor Corp. RTL8152 Fast Ethernet Adapter

realtek LANがちゃんと認識されているのがわかります。


● SSHリモート
Latte PandaのIPアドレスを調べます。
$ ip a | grep enx | grep inet
    inet 192.168.xxx.yyy/24 brd 192.168.xxx.zzz scope global dynamic enx00e04c36d35f

Terra Termなどのターミナルアプリで別のノートPC等からSSHリモートログインします。以下の作業はノートPCからリモートでおこないますのでLatte Pandaについていたモニターとキーボードを取りはずします。


●パッケージのアップグレード

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade

●リアルタイムカーネルのインストール

$ sudo apt install linux-image-rt-amd64
$ sudo reboot
$ uname -a
Linux panda 5.10.0-10-rt-amd64 #1 SMP PREEMPT_RT Debian 5.10.84-1 (2021-12-08) x86_64 GNU/Linux

"rt"の表記があり、リアルタイムカーネルがインストールされたことがわかります。

●オーディオ優先設定
$ sudo nano /etc/security/limits.conf
# 以下3行を書込み
@audio            -        rtprio          99
@audio            -        memlock          unlimited
@audio            -        nice            -10
# End of file

ここでオーディオ優先設定をすることで初めてリアルタイムカーネルの高音質の恩恵を受けられます。実際に優先設定する前と後で音のクリアさが明らかに違いました。


●ラテパンダにUSB-DACを接続してサウンドカードの確認
$ sudo cat /proc/asound/cards
 0 [Audio          ]: HdmiLpeAudio - Intel HDMI/DP LPE Audio
                      Intel HDMI/DP LPE Audio
 1 [NT505X         ]: USB-Audio - NT-505-X
                      TEAC Corporation NT-505-X at usb-0000:00:14.0-2, high speed

0が内蔵オーディオで、1がUSB-DACです。


●必要ないサービスの無効化

現在有効なサービスを表示
$ sudo systemctl list-unit-files --type service --state=enabled 

必要ないサービスの無効化
$ sudo systemctl stop bluetooth.service
$ sudo systemctl disable bluetooth.service
$ sudo systemctl stop wpa_supplicant.service
$ sudo systemctl disable wpa_supplicant.service
$ sudo systemctl stop cron.service
$ sudo systemctl disable cron.service


必要ないサービス無効化後のサービス一覧
$ sudo systemctl list-unit-files --type service --state=enabled
UNIT FILE                 STATE   VENDOR PRESET
anacron.service           enabled enabled
apparmor.service          enabled enabled
console-setup.service     enabled enabled
e2scrub_reap.service      enabled enabled
getty@.service            enabled enabled
keyboard-setup.service    enabled enabled
networking.service        enabled enabled
roonbridge.service        enabled enabled
rsyslog.service           enabled enabled
ssh.service               enabled enabled
systemd-pstore.service    enabled enabled
systemd-timesyncd.service enabled enabled

12 unit files listed.

これ以上にサービス無効化できると思いますが、私はとりあえずここまでにしています。Linuxに詳しい人はもう少し削れるのではないでしょうか。


●Roon Bridgeのインストール

$ sudo apt install libasound2
$ sudo apt install curl

Roon Bridge x86_64
$ curl -O https://download.roonlabs.net/builds/roonbridge-installer-linuxx64.sh
$ chmod +x roonbridge-installer-linuxx64.sh
$ sudo ./roonbridge-installer-linuxx64.sh


●固定IPの設定 
必要に応じて固定IP設定します。

$ sudo apt install net-tools
$ netstat -nr
Kernel IP routing table
Destination     Gateway         Genmask         Flags   MSS Window  irtt Iface
0.0.0.0         192.168.xxx.zzz    0.0.0.0         UG        0 0          0 enx00e04c36d35f
192.168.xxx.0    0.0.0.0         255.255.255.0   U         0 0          0 enx00e04c36d35f

GatewayとGenmask の値を調べます。

$ sudo cp /etc/network/interfaces /etc/network/interfaces.bak
$ sudo nano /etc/network/interfaces

# DHCPの行をコメントアウト
# iface enx00e04c36d35f inet dhcp

以下を記述 (IP addressは環境に応じて変更します)
auto enx00e04c36d35f
iface enx00e04c36d35f inet static
address 192.168.xxx.yyy
netmask 255.255.255.0
gateway 192.168.xxx.zzz


以上ですべての手順が完了です。
音は非常に高音質です。私がメインに使っているラズパイ4+Allo Digione Signatureに肉薄するほどの音で予想以上でした。
LattePandaは消費電力が5V2Aなので、5V対応の良質な電源を使うことをお勧めします。


最後にこの記事を書くにあたってこちらのサイトの記述をとても参考にさせていただきました。御礼申し上げます。


[2023/12/03] Roon BridgeのDownload URLを変更しました

2021年12月19日日曜日

初めてのアルミケースの穴あけ加工

生まれて初めてアルミケースの穴あけ加工をしました。なぜそんなことをしたかと言うと、Roon Bridge機のラズパイ4とDDC HATのAllo digione signatureを今までのプラスチックケースからもっとしっかりしたケースに収めたかったからです。


これまではdigione signatureの専用プラスチックケースを使っていました。しかしラズパイ4のCPUの発熱が常時50度を超えていて夏場どうなるか不安です。

またプラスチックケースは安っぽい。左の写真はそのプラスチックケースです。


ラズパイ3B用ケースにラズパイ4を強引に入れたのでパネルの1部は取り外しています。


ある日電子パーツ店に行ってみるとちょうど良さそうなアルミケースが展示されていました。スタッフにアルミケースの穴あけ加工について尋ねると、"アルミなら電動ドリルで簡単に穴あけできる"と教えてもらえました。


早速家に帰って寸法などを調べてからそのアルミケースを注文しました。到着まで数日かかるので、その間に必要な工具などを購入して練習用のアルミ板で穴あけを試したりしました。


その後アルミケースが届いたので、マスキングテープを貼って目印をつけた後に穴あけ作業をしました。


5mm程度までの穴なら苦労せずに開けられますが、10mmを超えるような穴は途中で何度もドリルの刃が止まってしまい、その都度バリ取りをしたりしながら何とか開けました。


YouTubeとかではもっと簡単に穴あけできてるんですが、とてもそんな風には出来ませんでした。



四角の穴はハンドニブラーを使います。この工具を使う作業は実に地味で、人力でミリ単位で少しずつ穴を開けていきます。


一通り穴あけ作業が終わり、ラズパイ4とAllo digione signatureををアルミケースに組み込みます。


USBメモリーやUSBノイズフィルターも刺さっていますがちゃんとケースに収まっています。


ケーブルを通す穴はちゃんと寸法を図ったつもりでしたが微妙にずれていました。でも取り返しのつかないようなミスではありません。





ラズパイの電源を入れて早速音出ししてみます。鮮度の高い音で驚きました。でもしばらく聞いているとシャリシャリした感じが気になります。


おそらくアルミのパネル同士が振動して振動ノイズを出しているのだと思います。なんせ市販のオーディオ機器等と違って素手で分解できる程度の作りのケースですから。







いろいろ試行錯誤した結果、アルミケースの下に御影石ボードを敷くとシャリシャリした感じが抑えられてバランスのとれた音になりました。


ラズパイのCPU温度を測ったところ、6度~10度ほど温度が下がりました。おそらくアルミケースが保冷庫のような役割を果たしているのだと思います。

pi@rpibridge:~ $ vcgencmd measure_temp
temp=40.4'C

今回のアルミケースにかかった費用は、アルミケース本体が約6000円で工具類が約9000円ほどでした。ケースより工具の方が高い(苦笑)でも新鮮で楽しい作業でした。

2021年12月16日木曜日

Roon Bridgeをラズパイ4にインストール

 今回の記事はRaspberry PiにRoonBridgeをインストールするやり方について書きます。
ハードウェアはRaspberry Pi4を使います。最初にOSをインストールして、次にRaspberry Piの各種設定をして最後にRoonBridgeをインストールする流れで進めます。


◆OSの選択

RoonBridgeはRoonServerと同じくサービスとして起動します。従ってOSは標準のヘッドレスOSのRaspberry Pi OS Liteを使います。ヘッドレスOSとはGUIのないOSのことです。

RoonBridge専用マシンを構築する場合GUI環境は必要はありません。GUI環境は無駄にコンピュータのリソースを使ってしまい音質的にも勧められません。以前ヘッドレスのRaspberry PiOSに別途デスクトップ環境をインストールしたことがありますが、見たこともないほど膨大な量のパッケージがインストールされて、メモリ使用量も結構増えました。それだけGUI環境は重たいのです。



◆Raspberry Pi OS LiteのインストールとSSHリモート

OSイメージをSDカードに書き込み、OSが起動したらログインします。

user:pi
password: raspberry

OS情報を見る
$ sudo cat /etc/os-release
PRETTY_NAME="Raspbian GNU/Linux 11 (bullseye)"
NAME="Raspbian GNU/Linux"
VERSION_ID="11"
VERSION="11 (bullseye)"
VERSION_CODENAME=bullseye
ID=raspbian
ID_LIKE=debian
HOME_URL="http://www.raspbian.org/"
SUPPORT_URL="http://www.raspbian.org/RaspbianForums"
BUG_REPORT_URL="http://www.raspbian.org/RaspbianBugs"


SSHを有効にします。
$ sudo raspi-config >>> 3. interface option >>> SSH >>> enable

IPアドレスを調べます
$ ip a 

eth0 の inet の横のIPアドレスをチェック

ノートPCのTerra TermなどのターミナルアプリでRaspberry PiにSSHログインします。
IPアドレスを打つ他、ホスト名"raspberrypi"でもログインできます。
以下の作業は全てSSHリモートで行います。


Raspberry Pi OSはデフォルトでSSHが有効になっていませんが、最初のOSのブート時にSSHを有効にできる方法があります。ヘッドレスインストールできるのでお勧めです。やり方はこちらのサイトなどが分かりやすいと思います。


◆初期設定

タイムゾーンの設定とパスワードの変更とホスト名の変更をします。
$ sudo raspi-config


◆パッケージを最新にする

$ sudo apt update
$ sudo apt upgrade


◆Wi-FiとBluetoothの無効化

$ sudo nano /boot/config.txt

設定ファイルの最後に以下を追記

dtoverlay=disable-bt
dtoverlay=disable-wifi


◆内蔵音声出力の無効化

$ sudo nano /boot/config.txt

以下の行をコメントアウト

# Enable audio (loads snd_bcm2835)
dtparam=audio=on

# Enable audio (loads snd_bcm2835)
# dtparam=audio=on


◆必要のないサービスの無効化

RoonBridgeの運用に必要のないサービスを無効化します。

(例)
$ sudo systemctl stop avahi-daemon.service
$ sudo systemctl disable avahi-daemon.service

サービスの内容がどんなものか調べたいときは、例えば
$ sudo systemctl status keyboard-setup.service
と打つと、

pi@raspibridge:~ $ sudo systemctl status keyboard-setup.service
● keyboard-setup.service - Set the console keyboard layout
(以下略)

"Set the console keyboard layout" つまりコンソールのキーボードレイアウト設定に関するサービスだとわかります。これを無効化してしまうとコンソールのキーボード入力ができなくなるかも知れません。よくわかりませんが大切なサービスのようですのでこのサービスは有効のままにしておきます。

私の場合は以下のサービスだけを残して残りは無効化しています。

$ sudo systemctl list-unit-files --type service --state=enabled
UNIT FILE                     STATE   VENDOR PRESET
console-setup.service         enabled enabled
dhcpcd.service                enabled enabled
dphys-swapfile.service        enabled enabled
e2scrub_reap.service          enabled enabled
fake-hwclock.service          enabled enabled
getty@.service                enabled enabled
keyboard-setup.service        enabled enabled
networking.service            enabled enabled
roonbridge.service            enabled enabled
rpi-display-backlight.service enabled enabled
rsyslog.service               enabled enabled
ssh.service                   enabled enabled
sshswitch.service             enabled enabled
systemd-pstore.service        enabled enabled
systemd-timesyncd.service     enabled enabled



◆RoonBridgeのインストール 

$ curl -O http://download.roonlabs.com/builds/roonbridge-installer-linuxarmv7hf.sh
$ sudo chmod +x roonbridge-installer-linuxarmv7hf.sh
$ sudo ./roonbridge-installer-linuxarmv7hf.sh

$ curl -O https://download.roonlabs.net/builds/roonbridge-installer-linuxarmv8.sh

$ chmod +x roonbridge-installer-linuxarmv8.sh

$ sudo ./roonbridge-installer-linuxarmv8.sh

*Raspberry Pi OS Lite 64bit版に合わせて修正しました


RoonBridgeのステータス確認
$ sudo systemctl status roonbridge.service


◆固定IPアドレス設定

最後に必要に応じて固定IPアドレス設定をします。
以前の記事で紹介したようにRoon CoreとRoonBridgeをPeer To Peer接続する場合は固定IPアドレス設定が必要です。Peer To Peer接続した場合はこのRaspberry Piがインターネットにつながらなくなるので、固定IPアドレス設定は最後に行います。

$ sudo nano /etc/dhcpcd.conf

設定ファイルの最後に追記(一例)
# static IP configuration:
interface eth0
static ip_address=192.168.xxx.yyy/24
static routers=192.168.xxx.zzz


以上で一通りの設定は完了です。RoonアプリでRoon Bridgeの音声出力デバイスが表示されているのを確認します。システムのシャットダウンや再起動は必要に応じて行ってください。


◆CPU温度を測る
ラズパイ4はCPUが熱を持ちやすいのでCPU温度を適時チェックすると良いです。
$ vcgencmd measure_temp
temp=43.8'C


◆オーディオ用HATの設定

オーディオ用HATを取り付けている場合は別途HATの設定を行います。
例) allo digione signatureの場合

$ sudo nano /boot/config.txt

以下1行を追記
dtoverlay=allo-digione


サウンドカードの確認
 $ aplay -l
**** List of PLAYBACK Hardware Devices ****
card 0: vc4hdmi0 [vc4-hdmi-0], device 0: MAI PCM i2s-hifi-0 [MAI PCM i2s-hifi-0]
  Subdevices: 1/1
  Subdevice #0: subdevice #0
card 1: vc4hdmi1 [vc4-hdmi-1], device 0: MAI PCM i2s-hifi-0 [MAI PCM i2s-hifi-0]
  Subdevices: 1/1
  Subdevice #0: subdevice #0
card 2: sndallodigione [snd_allo_digione], device 0: Allo DigiOne HiFi wm8804-spdif-0 [Allo DigiOne HiFi wm8804-spdif-0]
  Subdevices: 1/1
  Subdevice #0: subdevice #0

card 2 にAllo DigiOne が割り当てられています。


◆おまけ USBブート

ラズベリーパイ4はUSBメモリやSSDからブートすることもできます。私は16GBのUSB3.0メモリでOSをブートしています。USBブートのやり方はこちらのサイトなどを参考にすると良いでしょう。

(2021/12/16 記事修正しました)
(2021/12/18 記事一部修正しました)
(2021/12/25 記事追記しました)

2021年12月13日月曜日

光回線の導入 Part3

今回は新しく導入した光回線と従来のCATV回線の音質比較の記事を書きます。



Roonでローカル音源を再生して音質比較したところ、CATV回線から光回線にすると明らかに音が良くなりました。音に潤いが出てなめらかに感じます。潤いが出るとか滑らかになるとかまるで化粧品の宣伝のようなフレーズですが、本当にそんな印象です。



CATV回線ではインターネットから来るノイズがケーブルを伝わってモデムからルーター、オーディオシステムへと入り込みます。しかし光回線ではインターネットから来るノイズが光アイソレーションされます。インターネットから来るノイズが減って音のざらつきが抑えられて音がなめらかになったように感じられたのでしょう。




今回のインターネット回線の切り替えは費用はかかりましたが、Roonの音は良くなりましたしインターネットスピードもとても速くなりました。以前から光回線やIPv6にはとても興味がありましたし、今回切り替えて良かったと思います。



以上、これで光回線導入の話は終わりです。当初は1つの記事にまとめる予定でしたが、いろいろあって結局3つも記事を書くことになりました。

2021年12月12日日曜日

光回線の導入 part2

 前回の記事で光回線を導入してONU等の設置を完了したことを書きました。これでようやく音の良い光回線でRoonが使えると思ったのですが、なぜかRoonにログインできないエラーが起きてしまいました。




このエラーはちょっとテクニカルな問題なのでブログに書くかどうか迷いましたがトラブルシューティングも大切だと思うので書くことにしました。


Roon Serverやルーターなどを再起動したりいろいろ試しましたがどうやってもログインできません。結局この問題が解決するのに丸一日ほどかかりました。さすがに疲れました。


エラーの原因はRoon Serverが動作しているPCの設定不良でした。私はPCにそれほど詳しくありませんが頑張って説明してみます。もしかしたら説明が不適切な箇所があるかも知れませんがご容赦下さい。


インターネットをCATV回線から光回線に切り替えた際に、Roon Serverを動かしているDebian PCの"リゾルバ"というプログラムの設定ファイルが更新されておらず、そのためDebian PCが適切なDNSサーバーと通信できていなかったのです。


DNSサーバーは名前解決を行う重要なサーバーで、このサーバーとの通信ができないとインターネット経由の全てのやりとりに支障をきたしてしまいます。実際Roonのログインができなくなっただけでなく、Linuxのパッケージリストの更新やパッケージのダウンロードもできなくなっていました。



リゾルバとは、ユーザに変わってDNSサーバーに名前解決の問い合わせをするプログラムのことです。名前解決とは、ドメイン名とIPアドレスの照合を行うことです。


リゾルバは設定ファイルに登録されているDNSサーバーに問い合わせます。設定ファイルは  /etc/resolv.conf  に書かれています。設定ファイルの中身を見るには
$ sudo cat /etc/resolv.conf  
と打ちます。


DNSサーバーはリゾルバからの問い合わせに回答します。例えばリゾルバから「google.comのIPアドレスはなんですか」と問われると「172.217.31.174 です」と回答します。

Linuxコマンドでgoogle.comのIPアドレスを調べるには 
$ dig google.com 
と打ちます。
こうしたコマンドの実行などの裏側にリゾルバとDNSサーバーが働いているわけですね。



今回インターネット回線をCATV回線から光回線に切り替えた際に本来ならリゾルバの設定ファイルが自動更新されるはずですが、Debian PCのIPアドレスを固定IPアドレスに設定していたため設定ファイルの内容が更新されていませんでした。つまり以前のDNSサーバーの情報がそのまま残っていたのです。なぜ固定IPにすると設定ファイルが更新されないのか理屈はよくわかりません…


以前のDNSサーバーの情報はCATV事業者のJCOMが運営するDNSサーバーでした。普通に考えてドコモ光のユーザがJCOMのDNSサーバーにアクセスはできないはずです。それなのに光回線からJCOMのDNSサーバーに問い合わせしてことごとくはじかれていたわけです(苦笑)


そこでRoon Communityの書込みからヒントを得てDebian PCのIPアドレスを一時的にDHCPにしてみると、リゾルバの設定ファイルが更新されて晴れてRoonにログインできるようになりました。ホッとしました。


今回のトラブルシューティングはとても勉強になりました。PCの勉強はそれなりにしていたつもりですが全然まだまだでしたね。


次回は光回線とCATV回線の音質比較の記事を書きます。

2021年12月9日木曜日

光回線の導入 part1

前回の記事で光回線を契約したことを書きました。そして先日光回線工事が完了しました。


光回線工事当日、光ケーブルは壁のエアコンダクトから引っ張ってくるのかなと思っていましたが、実際はこれまで気にもかけていなかった天井の古びた電話線のところから引っ張ってきました。これは完全に不意を突かれました・・・



新しいマンションだと壁に光コンセントがあるのですが、私が住んでいるマンションは古いタイプなので光コンセントがありません。しかも天井の電話線は部屋の中央あたりにあります。そこから何とか壁際まで光ケーブルを引かないとといけませんが、光ケーブルは曲げに弱いのであまり長く引き回すわけにもいきません。うーん困った・・・


散々考えた結果、オーディオスペースとは反対側の冷蔵庫の上にONUとルーターを設置することにしました。



冷蔵庫の振動ノイズがどうのこうの・・・とオーディオマニアのような事を気にしてはいけません。

ここでルーターからオーディオスペースまで縦横8mほど距離があります。普通これほど距離があればLANケーブルではなくWi-Fiを使うのが吉なのですが、Wi-Fi子機を加えるとノイズが増えてしまうので仕方なく長いLANケーブルを這わせることにしました。ここはオーディオマニアのようなことを気にして良いのです。


ヨドバシカメラに行って10mのLANケーブルと配線カバーを買ってケーブルの設置作業をしました。まるでオフィスみたいです(笑)



相方は床にLANケーブルを敷くのを凄く嫌がっていたのですが、実際に設置したところを見てもらうと「思ったよりもスッキリしていいじゃん」と高評価でした。

光回線にして高速なIPv6にも対応したのでiPad Air2でスピードを測ってみました。



CATV回線の時と比較するとダウンロードで30%アップ、アップロードはもはや比較にならないほど速くなっています。もうIPv6の時代ですね。


次回は光回線に切り替えて起きたroonのトラブルについて書きます。


(2021/12/09 一部記事修正しました)

2021年12月6日月曜日

ルーターを購入

 新しいルーターを買いました。モデルはNECのAterm WX3000HPです。IPv6とWi-Fi6に対応したミドルレンジモデルです。



まず最初にルーターを買った経緯をお話しします。
インタネット回線は現在CATV回線を使っており、ルーターはCATV会社から貸与されるモデム一体型ルーターを使っていました。しかしオーディオショップ吉田苑のこの記事を見てCATV回線より光回線の方が音が良いことを知りました。一応メディアコンバータの光アイソレーションの効果も経験しているので、光回線が音がいいのは想像できます。

しかしインターネット回線を切り替えると諸々合計約3万円強ほど費用が発生することが分かりました。そこでお店に相談すると「それぐらいの費用を払っても充分お釣りが来るほど音が良くなりますから迷わず切り替えてください」と力強いアドバイスをいただいたので、思い切って光回線を契約しました。現段階でははまだ回線工事はしていません。


3万強の費用のうち約2万が回線切り替え諸費用で残り1万が新しいルーターの購入費用です。ドコモ光だとdポイントが20,000ポイントもらえるので実質の費用はルーター代金のみと考えるとそう悪くはありません。dポイントはもらったらすぐに最寄りのドラッグストアとかで日用品を爆買いして使い切るつもりです(笑)


光回線にするとCATVのモデム一体型ルーターは使えません。一応別にルーターを持っているのですがそのルーターは少し古くてIPv6に対応していません。ですので今回IPv6通信対応ルーターを購入しました。


ルーターを選ぶ際に一つ下のモデルとかなり悩みましたが、CPUの性能がより高く(デュアルコア800MHz)Wi-Fi6にも対応しているこのモデルにしました。とあるオーディオマニアの検証によると、ルーターはCPUが高性能なほど音質が良いようです。


まぁ音質はさておき、ルーターの実力を知りたいので早速ルーターを接続・設定をしてiPad Air2でインターネットスピードテストをしてみました。おー。今まで使っていたルーターより3割ほど速いです。最新のiPad Airならもっと速いでしょうね。



今度はノートPCからWi-Fi経由でデスクトップPCにファイルコピーをしてみました。今までは25MB/sぐらいだったのが80MB/sぐらいになりました。めちゃくちゃ速い!
ルータとノートPC双方ともWi-Fi6に対応しているからこのスピードが出たのでしょう。

ネットワークの世界はどんどん進化していますね。5GやWi-Fiだけでなく、有線イーサネットもマルチギガビット対応機器が家電量販店で普通に売られている時代になりました。


光回線工事の日程が間近なので、回線の切り替えでどれだけ音が変わるのか楽しみです。


(2021/12/09 記事追記しました)

2021年12月2日木曜日

Roon OSをメインのPCにインストール

以前の記事で予備のPCにRoon OSをインストールしたことを書きました。今回は現在Roon Serverが稼働中のメインのデスクトップPCにRoon OSをインストールします。


デスクトップPCの主な構成は以下の通りです。

CPU: Intel Core i7-11700

メモリ: DDR4 3200 8GBx2

MB: ASUS ROG STRIX Z590-E GAMING WIFI

ストレージ: M.2 PCIe3.0 SSD 250GB, SATA SSD 1TB


以前の記事でも少し触れましたが、Roon OSのインストールにはマザーボードのBIOSがLegacy Bootに対応している必要があります。Roon Labsのインストラクションにこう書かれています。

Devices must support Legacy Boot.

There have been reports that some NUC BIOS revisions (for example, in the JY line) removed Legacy Boot support, but these are not on the supported list above. This may change in the future, so be diligent when checking.


Intel NUCであってもLegacy Bootができないモデルはサポートされていません。

Legacy Bootに対応させるにはCSMを有効にしないといけませんが、ASUSマザーボードの販売代理店に確認したところZ590マザーはデフォルトでCSMが無効になっており、CSMを有効にするにはビデオカードの増設が必要との事です。これはIntel CPUの内蔵のグラフィック機能が関わってくる問題のようです。

私はビデオカードを持っていないのでPCパーツショップに行って一番安いローエンドのビデオカードを購入しました。


GeForce GT710です。グラフィック性能はCore i7-11700 CPUの内蔵グラフィックよりもずっと劣ります(笑) "BIOSのCSMを有効にするだけ"のためにわざわざ買いました…


このビデオカードをマザーボードに装着してBIOSを立ち上げるとちゃんとCSMが有効にできるようになりました。そしてLegacy Bootに対応していることを確認します。


これでRoon OSをインストールできるようになったはずなので早速インストール。インストールでやることと言えばインストール先のストレージを指定することぐらいです。インストールが終わりPCを再起動します。


ここでトラブルが発生しました。通常はルーターからNICにIPアドレスが振られてモニター画面にIPアドレスが表示されるのですが、いつまで待っても表示されません。LANケーブルの接続を確認してもう一度PCを再起動しますが、やはりIPアドレスが表示されません。


考えられる原因はRoon OSがオンボードのIntel I225-V 2.5Gbイーサネットアダプターを認識していない事です。Roon OSは古いOSがベースになっているらしいので、比較的新しいIntel I225-Vを認識しないのは充分考えられることです。


そこで、Intel 1Gb PCIe LANカードを増設して再びPCを再起動しました。今度はIPアドレスがちゃんと表示されました。やはり… 

Roon Remoteアプリでネットワークの確認をしてみると、イーサネットアダプタの表示が1つしかありません。もしRoon OSがオンボードのIntel I225-Vをちゃんと認識していればイーサネットアダプタは3つ表示されるはずです。(オンボードIntel I225-V2つ+増設カード1つ)



以前の記事でも書いたように私はオンボードのIntel I225-Vイーサネットアダプターを2つフルに使っています。これが2つとも使えないのは困りますね。Roon OSはコマンド入力してドライバーをインストールするようなこともできないので、これはどうにもならないですね。残念ですが現在稼働中のデスクトップPCでRoon OSを使うのはやめて、今まで通りヘッドレスのDebianでRoon Serverを動かすやり方に戻りました。


まぁでも今回はいい経験になりました。Roon OSを動かすのに必要なハード要件も大体見えてきました。


以上

Roon Remoteで音が変わる

私はRoon RemoteデバイスとしてiPad ProとiPhone8とNECのLavieTab T8の3つを持っている。 最近気づいたのだが、 Roon Remoteデバイスで音が変わる。 上に紹介した3つの中でNECのLavieTabが1番音が良い。 iPad ProとiP...